サッポロビール（株）は「サッポロ男梅サワー通のしょっぱ梅」を7月4日に全国で数量限定発売します。本商品は、当社と日本アイ・ビー・エム株式会社が共同開発したRTD（注1）商品開発AIシステム「N-Wing★（ニュー･ウィング･スター）」を活用して開発した初の商品です。（注2）

「N-Wing★」は、これまで商品化した約170商品で検討した配合（約1,200種）や原料情報（約700種）を含むレシピを学習していて、新商品のコンセプトや必要な情報を入力すると、瞬時に目標とする配合の骨格をもとに原料の組合せ、各原料が商品全体の中に占める割合（配合量）まで予測し、推奨配合と推奨香料からなるレシピを出力する商品開発AIシステムです。開発担当者はこのレシピを参考にして必要な原料を調達し、試作品の開発を行います。この「N-Wing★」を活用した第一弾の商品を、この度発売10周年を迎えた主力ブランド「男梅サワーブランド」から発売します。

本商品は、梅干しの液中粉砕浸漬酒と新たに梅干しをすりつぶしたペーストを使用することで、暑い夏にピッタリのしょっぱさが増した梅干し味をお楽しみいただける商品です。開発に「N-Wing★」を活用することで最適な味覚設計のためのヒントを得ることに成功し、しょっぱさを増すための意外な隠し味として、通常は清涼感を与えることに影響するフレーバーを男梅ブランドとして初めて使用しています。これにより通常の男梅サワーから塩分量をほとんど変えず、梅干し感やしょっぱさを強めることが可能になりました。

　と、説明されています。

　まず最初に注目すべきは、「男梅サワー通のしょっぱ梅」が「商品開発AIシステム N-Wing★（ニュー･ウィング･スター）」を活用して開発された初めての商品という点。

　これまでに商品化された170商品の開発過程で「検討された配合（約1200種）」や「原料情報（約700種）」を含む「レシピ」などをAIに学習させ、商品コンセプトなどの必要な情報を入力する事で、「目標となる配合の骨格」や「原材料の組み合わせ」「各材料の配合割合」「推奨配合や推奨香料などのレシピ」が出力されるというシステムを活用して、商品化されたのが「男梅サワー通のしょっぱ梅」なのだそうです。

　私も、ぼんやりとした目的の調べモノで、「ChatGPT」を第一段階として活用する事が増えているのですが、自分が「知らなかったり」「思いつかない」ような視点を提示してくれるのは便利ですね。

　IBM社とサッポロが共同で開発された商品開発AIシステム「N-Wing★（ニュー･ウィング･スター）」は、商品開発専用にシステムが構築されているでしょうから、より専門的な出力を短時間で行えるのだと思われます。

　2022年11月28日のニュースリリースによると、

サッポロビールと日本IBMが RTD商品開発スキームのDX化に向け AIシステム「N-Wing★」を本格実装 | ニュースリリース | サッポロビール

「★乾杯をもっとおいしく。」熟練技術とAIの融合により市場創造型新商品開発に着手

　商品開発過程で「原料検討時間は約75％削減」「配合検討時間は約50％削減」「AIによる高精度なレシピ予測により試作時の手直し時間も約50%削減」「商品開発にかかる総時間が約50％削減」が期待できると発表されており、AI活用によるコスト削減だけでなく、AI活用の実用例としても注目されそうですね。

　また、商品開発AIシステムを活用して開発された商品の第一弾となる「男梅サワー通のしょっぱ梅」の中味ですが、「梅干しの液中粉砕浸漬酒」と、新たに「梅干しをすりつぶしたペースト」を使用という点は、これまでにも有りそうな「男梅サワー」の限定商品という感じの内容ですが、開発に「N-Wing★」を活用することで得られた「しょっぱさを増すための意外な隠し味として、通常は清涼感を与えることに影響するフレーバーを男梅ブランドとして初めて使用」「通常の男梅サワーから塩分量をほとんど変えず、梅干し感やしょっぱさを強めることが可能に」という点が新しいですね。

　いわゆる清涼剤は、メントールなどのようにスーっとした感覚を得る目的で使用される原材料ですが、それを「梅干し感やしょっぱさを強める」のに使用するというアイデアは、普通に試行錯誤していても、なかなか思いつかないのではないでしょうか。

　開発過程で気がつく事は有るかも知れませんが、それに清涼剤が関わっていると気がつくまでに時間がかかりそうです。

　男梅サワーの中心的な原材料「梅干しの液中粉砕浸漬酒」に加えて、新たに「梅干しをすりつぶしたペースト」を使用というスタンダードな構成の時点でも美味しそうな感じがしますが、加えてAIが導き出した清涼剤を使用するというアイデアが加わり、「梅干し感」や「しょっぱさ」の味わいが強化された味わいに面白さを感じますね。

　味わいはもとより、開発経緯など、色々な面で楽しみな限定商品なのではないでしょうか。

　と。いうことで。2023年7月4日から数量限定で発売される「男梅サワー通のしょっぱ梅」が気になった方は、発売日の前後にお近くのスーパーマーケットやコンビニなど酒取扱店で「男梅サワー通のしょっぱ梅」を探してみて下さいね。

●ニュースリリース引用
サッポロビール（株）は「サッポロ男梅サワー通のしょっぱ梅」を7月4日に全国で数量限定発売します。本商品は、当社と日本アイ・ビー・エム株式会社が共同開発したRTD（注1）商品開発AIシステム「N-Wing★（ニュー･ウィング･スター）」を活用して開発した初の商品です。（注2）

「N-Wing★」は、これまで商品化した約170商品で検討した配合（約1,200種）や原料情報（約700種）を含むレシピを学習していて、新商品のコンセプトや必要な情報を入力すると、瞬時に目標とする配合の骨格をもとに原料の組合せ、各原料が商品全体の中に占める割合（配合量）まで予測し、推奨配合と推奨香料からなるレシピを出力する商品開発AIシステムです。開発担当者はこのレシピを参考にして必要な原料を調達し、試作品の開発を行います。この「N-Wing★」を活用した第一弾の商品を、この度発売10周年を迎えた主力ブランド「男梅サワーブランド」から発売します。

本商品は、梅干しの液中粉砕浸漬酒と新たに梅干しをすりつぶしたペーストを使用することで、暑い夏にピッタリのしょっぱさが増した梅干し味をお楽しみいただける商品です。開発に「N-Wing★」を活用することで最適な味覚設計のためのヒントを得ることに成功し、しょっぱさを増すための意外な隠し味として、通常は清涼感を与えることに影響するフレーバーを男梅ブランドとして初めて使用しています。これにより通常の男梅サワーから塩分量をほとんど変えず、梅干し感やしょっぱさを強めることが可能になりました。

当社は、人間とAIが協調した開発スタイルも取り入れながら、新しいニーズと市場をカイタクする新価値提案でRTD市場の活性化に貢献します。
（注1）Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料。（注2）https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000015434/

【出典】商品開発AIシステム「N-Wing★」を活用した初の商品「サッポロ男梅サワー通のしょっぱ梅」数量限定新発売

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