2021年12月31日付けで「ZIMA(ジーマ)」の販売元「モルソン・クアーズ・ジャパン」の日本における事業が終了した。
私が、この情報を知ったのは、2022年1月3日に「Twitter」で見た「わかほうさん」のツイート。
ジーマ終売なの知ってた???
クラブ行かないと飲まなかったけど悲しみ… pic.twitter.com/TjhVXP7AUF— わかほう (@wakahou) January 3, 2022
添付された画像を見ると、下部に缶チューハイが陳列されているのが少し見えて、どこかのお店のお酒売り場だという事が推測できる。
画像の大半は「モルソン・クアーズ・ジャパン」からのお知らせ。
発行は「2021年11月」となっている。
宛先は「お得意様」と記載されており、取引先である販売店などに向けたお知らせだろう。
内容は以下の通り。
2021年11月
お得意様
先般、2021年12月31日付けでモルソン・クアーズ・ジャパン事業を終了する苦渋の決断を日本の従業員に伝えました。
18か月にわたり、ジーマの再活性化、ポートフォリオの変更及び売上を拡大するための新販売モデルの導入などの業績改善を図る変更を実施してまいりました。残念ながら、これらの変更は結実しませんでした。また、克服し難い重大な新型コロナウイルスの影響は、今後も無くなりません。
モルソン・クアーズ・ジャパンの終了は、2021年12月31日をもってジーマ等の製品を供給できなくなることを意味します。
これまで長年にわたり、弊社製品に格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
ご質問がありましたら、営業担当者にお問い合わせください。
ショーン・モートン
モルソン・クアーズ・ジャパン代表取締役
この書面から分かることは、「18か月にわたり、ジーマの再活性化など事業改善などを行ってきたが改善には至らなかった」ということ。
合わせて、クラブやダーツバー、イベント会場などが大きな供給先だったジーマにとって「新型コロナウイルスの影響」は、ユーザーが想像する以上に深刻だった事がうかがえる。
2021年1月4日には「よろず~ニュース」「毎日新聞デジタル」などが、モルソン・クアーズ・ジャパンの事業終了に関する記事を掲載。


これらの記事によると、
・今後の方針は、方向性も含めて本社で検討中
・モルソン・クアーズ・ジャパンが販売していた「ジーマ」「ブルームーン」の販売代理店を探している
・モルソン・クアーズ・ジャパンが販売していた「シンハービール」については販売代理店が見つかった
と、いう事が報じられています。
なお、2022年1月10日現在において「モルソン・クアーズ・ジャパン公式サイト」や「ZIMAブランドサイト」では、モルソン・クアーズ・ジャパンの事業終了に関するお知らせは掲載されていません。
■2020年からのジーマの変化を振り返る
思い返せば、モルソン・クアーズ・ジャパンの「ジーマの再活性化」に関する取り組みは2020年4月頃から行われていたように思う。
この頃は「新型コロナウイルス」による影響や、いつまで続くかなど分からない部分も多かったので、当初はコロナによる需要の縮小に対する対策ではなく、通常の「ジーマの再活性化」に関する取り組みだったかも知れない。
少なくとも、私の視点からは「思い切った方向転換をしたな」程度の認識で、モルソン・クアーズ・ジャパンが日本における事業を終了するまでにいたるとは思っていなかった。
ただ、これまでと明らかに違ったのは「ZIMA」というスタイルを崩した商品の発売という点。
2020年までにも「ZIMA」の限定商品は発売されていた。
でも、2020年までに発売されていた限定商品は、いかにも「ZIMA」というフレーバーと、275ml瓶に入ったいかにも「ZIMA」というスタイルだった。
私の知る限り、明らかに日本だけに向けて開発されたような、缶チューハイみたいな「ZIMA」を見たのは2020年からである。
▼ジーマ ラムネ de わっしょい
2020年4月27日に発表され、2020年5月4日から発売が開始された「ジーマ ラムネ de わっしょい」は、缶チューハイなどを意識した日本向けの独自商品という印象と共に、開催の可能性も考えられたオリンピックに訪れる海外からの来訪者に向けた日本っぽい商品という印象も受けた。
▼ジーマ スイート アップル ホワイト
2020年8月31日頃に発売が開始されたと思われ、商品発売の告知はTwitterのZIMA公式アカウントで2020年9月18日につぶやかれただけだった、ヨーグルトテイストの「ジーマ スイート アップル ホワイト」も女性ユーザーの獲得を狙ったこれまでに無い面白い商品という印象だった。
▼ジーマ ハイフライレモン+新日本プロレスコラボ
その後、2021年1月頃にローソン限定で発売された新日本プロレスとのコラボ商品「ジーマ ハイフライレモン」や、2021年4月頃に行われた「新日本プロレスのレスラーのオリジナルトレーディングカード」を「ZIMA 275mlボトル」に付けたキャンペーンなどを見て「最近、ジーマ頑張ってるな」や「最近、ジーマがよく目に入る」という印象を受けた方も多かったのではないだろうか。
ここまでは、「通常のジーマの再活性化に関する取り組み」として認識されていた方も多いのではないでしょうか。
2021年5月20日に、ブランドロゴを刷新してパッケージをリニューアルした商品が2021年7月26日から発売される事が発表された。 加えて、新フレーバー「ZIMA レモン&ライム」「ZIMA オレンジ&カシス」の発売が発表される。
私は40代半ばに差し掛かった結構なおじさんなので、1997年にアメリカから日本に上陸した「ZIMA」を飲む機会が多かった世代とも言えると思います。
お酒を飲み始めた頃から「ZIMA」が有って、中味が発泡酒から果実酒ベースのリキュール、最終的にはスピリッツをベースのお酒に変わったものの、基本的な「ZIMA」のスタイルはあまり変わらなかったので、この大きな変化に衝撃を受けた30代後半以降のおじさんも多かったのではないでしょうか。
親会社「モルソン・クアーズ」の公式サイトを見ると、販売地域は「Japan, South Korea」と記載されているので、日本市場における新型コロナウイルスの影響に対する起死回生の一手というわけではなく、通常のブランド強化に伴うロゴの刷新と新フレーバーの発売だったのかも知れませんが、結果としてこれが日本市場における最後の「ジーマの再活性化」に関する取り組みとなったようです。
■2022年1月現在において以降の展開は未定
記事の最初にも書きましたが、「よろず~ニュース」によると「今後の方針は、方向性も含めて本社で検討中」と報じられています。
また、「毎日新聞デジタル」では「販売代理店を探している」と報じられているので、正規に「ジーマ」や「ブルームーン」を輸入する販売代理店が現れるかも知れません。
もし、販売代理店が決まっても、余程の大手でない限りは、これまでのようにコンビニやスーパーマーケットを探せばある程度は見つかるという状況まで供給が回復するかは難しい状況だと思いますが、「モルソン・クアーズ・ジャパン」が扱っていたお酒が好きだった方は、無事に販売代理店が見つかる事を応援しましょう。
■最後に2022年1月10日現在における大手ショッピングサイトでの出品状況
2022年1月10日現在、大手ショッピングサイトで出品されているのは、
・ジーマ 瓶 275ml 24本:1件
・ジーマ レモン&ライム 275ml×24本:1件
合計2件の出品のみ。
そこそこのプレ値で出品されていますので、今回は出品へのリンクを掲載しません。
最初の「わかほうさん」のツイートによると、2021年11月には「モルソン・クアーズ・ジャパン」の日本における事業が終了が販売店に伝えられており、メーカーからの出荷やお店への入荷は早い段階で終了していると思われます。
現在の状況を見ると、ネットでの購入は難しいでしょう。
お近くのスーパーマーケットやリカーショップ、コンビニなどを無理ない程度に見て回って、残っていたらラッキー程度で探してみるくらいが良いと思います。
ネットでの出品の可能性は、時間が経過するほどに転売目的の出品などが多くなると思われますのでご注意下さい。
※当ブログのカテゴリ「製造終了」に登録しておりますが、現時点で確定しているのは「発売元の日本市場での活動が終了した」事のみです。製造や販売などに関する情報は確認しておりません。